

東京大学教授
苅部 直の「<日本>の思想文化」
このフォーラムは日本語で行われますが、「日本」の内輪の常識にとらわれた場ではありません。世界のさまざまな文化に開かれた視野と、普遍的なものへの問いを念頭に置きながら、これまでの考え方を見直し、「日本」の文化と伝統のなかから、未来へとつながる知恵を汲みだそうとする試みです。多くのみなさまがこの営みに加わってくださることを願っています。

京都大学特任教授
佐伯 啓思の「現代文明論講義」
高度な情報技術、グローバル市場、民主的な政治体制、国民的文化、そのどれもが今日、危機的な様相を深めています。この現代文明の様相を、それぞれの立場から論じ、また、日本文明の可能性を探るという知的な冒険を、皆さんと共にできることを願っています。

関西大学客員教授
会田 弘継の「新・黒船の時代」
黒船と敗戦に象徴されるように日本近代は大きく「アメリカの影」に覆われてきました。20世紀後半以降、それは日本に限らず多くの国々にとっての現実だったかもしれません。そんな視点を折り込んで、日本と世界の行方を考えていきましょう。

帝京大学教授
井上義和の「特攻文学を読む」
戦争体験をもたない書き手による、特攻隊を主題としたフィクションである「創作特攻文学」。1990年代以降に多くつくられ、映画や舞台にもなりました。このジャンルで文学的想像力は何を描こうとしてきたのか、具体的な作品を読みながら考えてみましょう。

武蔵野大学教授
貝塚 茂樹の「「戦後日本」の探検」
コロナ禍は、日本社会の様々な歪みと欠陥を可視化させました。それは、「戦後日本」に内在した根本的な課題の拡散と肥大化と言えます。歴史、教育、宗教、道徳という観点を中心として、改めて「戦後日本」の来歴と未来を考えて見たいと思います。

慶應義塾大学教授
片山 杜秀の「搦め手から」
論壇即活字メディアという時代が長かったように思うのですが、近年では残念なことに長い文章を読む習慣が社会的にどんどん失われてきているのではないでしょうか。それは残念なことですけれど、論壇の壇は三次元空間ですし、論壇の二文字は壇上弁論と繋がっていると思えば、書くよりも喋る時代に、鷗外や漱石よりも円朝や音二郎の時代に戻るつもりでやるときなのでしょう。よろしくお願いします。

法政大学教授
河野 有理の「思想の領分」
「わが日本古より今に至るまで哲学なし」。中江兆民のこの言葉は、哲学を「真摯で面白い思考の営み」の意とするなら、誤りです。かつての日本人たちの、至極まじめで(だからこそ)面白い思考の冒険を一緒に追体験してみませんか。

九州大学教授
施 光恒 の「新日本国家論」
「ダイバーシティ」、「インクルージョン」、「多文化共生」……。マスコミや大学では、私たちが大切にすべき価値を表す言葉として最近こういうものがよく持ち出されます。確かに重要ですが、私たちの日々の生活から紡ぎだされた言葉ではありません。もっと腑に落ちる言葉で「共同的な価値の地盤」を探っていきたい――。そう考えています。

日本大学教授
先崎 彰容の「知性の相貌」
日本では政治、文化、言論、いずれの力も弱まっています。政治への市民の関心は地に堕ち、文化は趣味程度の嗜好品となり、言論がもつ影響力は島宇宙化しています。つまり世界は今、断片化している――この閉塞感を打開するために、先人の「智」を携え、現代社会を斬ってみようと思います。

北海道教育大学旭川校准教授
古川 雄嗣の「新日本教育論」
思想とは、人間にとって「本当に大切なもの」は何かを問う営みであり、そこには本来、「保守」と「リベラル」の対立などありません。両者の垣根を超えて、「大切なもの」を破壊し尽くそうとする現代日本の虚無主義者たちに立ち向かおうではありませんか。

評論家
與那覇 潤の「リハビリする歴史」
大学のカリキュラムの厳格さと、SNSの喧騒の無秩序さの中間でこそ、正しい意味での「対話」は機能する。平成期に挫折を繰り返してきた、そうした空間の創出に、今度こそ、みなさんとともに挑めるなら幸いです。


大阪体育大学准教授
髙宮 正貴の「教育の玉手箱」
この番組では、秘密にしておくにはもったいない最先端の教育学的知見や教育実践を紹介し、みなさまと対話します。それによって、「教育学」「学校の先生」「公衆(世間)」の3者、つまり教育をめぐる学問知・実践知・世論をつなぎ、教育的知のプラットフォームの形成を目指します。

静岡大学准教授
藤井 基貴の「現代教育学ことはじめ」
教育学のルーツは哲学、歴史学、社会学、心理学にあり、各時代の教育課題と向き合いながら学問的発展を遂げてきました。私が研究しているドイツの哲学者カントも大学において教育学を講じた初期の一人として数えられています。本番組では、さまざまな分野の専門家をお招きして、現代の教育課題と向き合いながら、教育学の最前線をお届けしたいと思います。

暴力問題相談センター
松田 太希の「<はざま>で考える:暴力とスポーツから見る教育の様々」
過激な思想的エスカレートにも狭隘な現場主義にも与せず、私が研究してきた暴力やスポーツ(運動部活動)を中心にしながら、教育をめぐって様々に考えます。実際の困難な状況に向き合うことができるタフな知性と考える悦びを、皆様と共有したいと思います。

北海道教育大学札幌校准教授
山田 真由美の「戦後教育の思想史」
批判するということは、対象を深く理解しようとすることでなくてはなりません。現在さまざまな課題に直面する教育ですが、いったいいつ、どのような思想のもとに構築されてきたのでしょうか。現在の背後にある思想史を探求することで、教育の公正な批判者となることを目指します。

批評誌『夜航』

おもしろきこともなき
夜をおもしろく
〜夜航チャンネル in ことのは
彰往テレスコープ

彰往テレスコープの電装レンズ
「日本文明」研究フォーラム

日本文明の視座
とうかつ生と死を考える会

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